インタビュイープロフィール

株式会社ジェーシービー イシュイング本部 イシュイング推進部 プロパー推進グループ 次長

渡邊 有介 様

 

株式会社ジェーシービー イシュイング本部 イシュイング推進部 プロパー推進グループ 主務

千葉 真理菜 様

 

課題
  •  LPの離脱率が高く、コンバージョンに繋がらなかった
  •  受動的な広告経由のユーザーの離脱が特に多かった
  •  ユーザーのニーズに合った情報提供が難しく、フォローアップができていなかった

 

決め手
  •  LINEを活用し、個別のニーズに応じた情報提供ができる点
  •  Capexのシナリオ設計と、クレジットカード商材への深い理解ができる点
  •  双方向コミュニケーションが可能で、お客様との接点を強化できる点

 

結果
  •  離脱率が低下し、コンバージョン率が向上した
  •  顧客体験(UX)が向上し、申し込み率が改善した
  •  ユーザーのニーズにあった内容を定期的に配信し、長期的な申し込み増加に繋がった

 

クレジットカードのプロパーカードにおけるオンライン新規入会獲得で、広告からLPへの流入は確保できていたものの、離脱率が高く、コンバージョン率の向上が課題となっていた株式会社ジェーシービー。特に、情報量が多いクレジットカードという商材の特性上、ユーザーの多様なニーズに応じた情報提供が難しく、フォローアップ施策が求められていました。

この課題を解決するためにJCBが導入したのが、Capexが提供する「PickUp」です。LINE公式アカウントを活用し、ユーザーの状況やニーズに合わせた情報提供を可能にするこのサービスは、顧客体験(UX)の向上とコンバージョン率の改善に寄与しました。

今回、JCBがPickUpをどのように活用し、どのような成果を上げたのか、また、課題解決に向けた取り組みの背景などについて、イシュイング本部 イシュイング推進部 プロパー推進グループの渡邊 有介様と千葉 真理菜様にお話を伺いました。

LPへの流入は確保できても、離脱率の高さが課題に

──PickUp導入以前、どのような課題を抱えていましたか?

渡邊様:ウェブ広告からLPへの流入は一定数確保できていましたが、多くのユーザーが離脱してしまう点が大きな課題でした。特に、ディスプレイ広告など、ユーザーが自発的に検索や行動を起こしたわけではない広告経由でLPに訪れたユーザーの離脱率は顕著で、費用対効果の面でも改善が急務でした。せっかく広告費をかけてLPに誘導しても、コンバージョンに至らなければ意味がありません。そのためフォローアップ施策の強化が必要な状況でした。

 

千葉様:私が担当しているプロパーカードのウェブチャネル新規獲得業務においても、LP制作やSEO対策など様々な施策を行っていましたが、LPからの離脱率の高さは常に課題として認識していました。特にゴールドカードのLPでの離脱率が高く、新規顧客獲得のボトルネックとなっていました。

 

──課題解決のために、どのような取り組みを行っていましたか?

渡邊様:課題解決のために、リターゲティング広告の活用やLPの改善、SEO対策などの多角的な施策に取り組んできました。リターゲティング広告には一定の効果が期待できる一方で、広告コストの増加という新たな課題も浮上していました。また、ユーザーのニーズが絶えず多様化している今の状況を考えると、画一的なアプローチだけでは対応しきれないと強く感じていました。

そのような流れがあり、自社メディアを強化してユーザーとのコミュニケーションをより深めることで、より効果的なコンバージョンの獲得を図りたいと考えるようになりました。具体的には、ユーザー一人ひとりのニーズに合わせた情報を提供し、疑問点にもきめ細かに対応することで、コンバージョン率をさらに高められるのではないかと期待しています。

 

千葉様:ウェブ広告以外の流入経路の強化としてSEO対策にも力を入れていました。しかし、検索流入でLPに訪れたユーザーも、期待していた情報と異なるとすぐに離脱してしまうケースが多く、SEO対策だけでは限界がありました。そこで、LPに訪れたユーザーをいかに自社のプラットフォームに繋ぎとめ、継続的にコミュニケーションを取れるかが重要だと考えました。

 

PickUp導入の理由は双方向コミュニケーションの実現

──なぜPickUpを導入しようと思ったのですか?

渡邊様:PickUpはLINE公式アカウントと連携することで、情報提供だけでなく、会員様からの質問や疑問にも対応できますし、申し込みの背中を押すコミュニケーションが取れるサービスになると考えました。また、LINEは多くのユーザーが日常的に利用しているツールなので、ユーザーとの接点を維持しやすく、継続的なコミュニケーションを図る上で最適なプラットフォームだと考えました。

 

──他のツールとの比較検討は行いましたか?

千葉様:はい、ユーザーの離脱を防ぐためのツールをいくつか検討しました。動画を使用してユーザーの悩みにマッチした解決策を提示するサービスなども検討しました。しかし、最終的にPickUpを選んだ決め手は、LINE公式アカウントとの連携、ユーザーに合わせたシナリオ設計によるパーソナライズ化されたコミュニケーション、そしてCapexさんの手厚いサポート体制でした。特に、Capexさんの担当の方からは、クレジットカードという商材の特性を理解した上で具体的な提案をいただき、信頼感を持つことができました。

 

──LINE公式アカウントは元々運用されていたのでしょうか?

渡邊様:PickUpの導入に合わせてLINE公式アカウントを開設しました。情報量の多いクレジットカードという商材では、ウェブサイト上での一方的な情報提供だけではユーザーの理解を深めるのが難しいと感じていました。LINEであれば、チャット形式でインタラクティブなコミュニケーションが可能となり、ユーザーの疑問や不安に寄り添いながら、よりパーソナライズ化された情報提供ができるのではないかと考えました。また、LINEは多くのユーザーにとって身近なツールであるため、ユーザーとの接点を維持しやすく、関係性を構築していく上で有効な手段だと判断しました。

 

カード選びの迷いを解消し、納得感のある申し込み体験を提供

──JCB様の全カード券面で導入されたのでしょうか?

渡邊様:最初にPickUpを導入したのは、ゴールドカードです。これは他のカードと比べてゴールドカードの離脱率が高かったからです。課題感が一番大きかったゴールドカードで導入をし、数字が改善するかを確認したいと思いました。

 

──PickUp導入後、どのような成果がありましたか?

渡邊様:PickUp導入後、ゴールドカードのLPにおける離脱率が低下し、コンバージョン率が向上しました。具体的な成果数値は述べられていませんが、一定の改善が見られました。これは当初の想定を上回る成果で、非常に嬉しく思いました。この成功を受けて、現在ではゴールドカード以外の複数のカードでも横展開して、PickUpを導入して運用するようになりました。

 

──顧客体験はどのように変化しましたか?

千葉様:ユーザーに合わせたシナリオ設計によって、ユーザー一人ひとりのニーズに寄り添ったコミュニケーションが可能になりました。例えば、カード選びに迷っているユーザーに対して、適切な情報をシナリオ形式で提供することで、納得感を得られる仕組みを構築しました。また、ユーザーが抱える疑問や不安に迅速に対応できるようになったことも、顧客体験の向上に繋がっていると感じています。

 

──具体的な顧客体験向上のエピソードはありますか?

千葉様:Capexさんからの提案でシナリオをシンプルにしたことで、コンバージョン率が向上したことがあります。PickUp導入時点では、「診断ルート」と「情報提供ルート」の2つのルートを用意していました。「診断ルート」はカードのことをいちから教えて欲しいタイプの方が行くルートで、「情報提供ルート」がある程度の知識がある方が進むルートです。しかし、「情報提供ルート」はコンバージョンに寄与しなかったため、削除することになりました。

 

──ルートをひとつにしたことでどのような結果になりましたか?

千葉様:シナリオを「診断ルート」に絞ったことで、コンバージョンがかなり上がりました。シナリオだけではなく、ユーザーの導線や行動パターンを意識したUI設計にすることの重要さを再認識した結果になったと感じています。

 

──コンバージョンまで時間のかかるユーザーへの対策をお教えください。

千葉様:一度登録いただいたLINE友だちには、友だち登録をした1週間後のリマインド配信や、ユーザーをナーチャリングしながら新規入会キャンペーンの案内を行って後押しをするなど継続的なアプローチをしています。これにより、登録後すぐにコンバージョンに至らなかったユーザーにも、改めて申し込みを検討いただく機会を提供できています。他にも友だち登録後一定期間が経過したユーザーに、改めてカードの魅力やメリットを伝えるシナリオを配信する施策も行っています。これらの施策を通じて、ロングテールのコンバージョン促進にも力を入れています。

 

──複数枚のカードで運用して分かったPickUpの活用方法などはありますか?

渡邊様:マス広告のように広い方々へ届く広告を出稿した際に、PickUpは本領を発揮するのではないかと考えています。弊社のプラチナカードは、マス広告を出稿するタイミングでPickUpを開始しました。マス広告を出すとたくさんの方々がLPに流入してくれますが、多くの方がカードに対しての理解が浅い状態で来られます。そのような方々に対して、カードの理解を促したり、ナーチャリングをすることができるため大きな効果が期待できるのではないかと感じています。

 

PickUpの導入で離脱率を抑えコンバージョンを高める

──Capexのサポート体制はいかがでしたか?

千葉様:Capexさんのサポートは非常に手厚く、とても助かっています。月に1回行われる定例ミーティングに加えて、日々のメールや電話でのやり取りを通して、密にコミュニケーションを取らせてもらっています。また、Capexさんからの提案は、細かい指標を元にされているので説得力があり、現状の改善点が特定しやすくなるためとても心強いです。さらに、キャンペーンの切り替えなどの作業も短いスパンでご依頼させていただくこともありますが、その度に柔軟に対応いただいている印象があります。

最後に、我々の商材は結果を出すのがとても難しいと考えています。それでも一生懸命に取り組み、結果にコミットしようと行動してくださる姿勢が、日々のやり取りからとても伝わってきます。

 

──PickUpはどのような企業におすすめでしょうか?

渡邊様:マス広告などで幅広い層にアプローチしたけど、すぐに離脱をされてしまってコンバージョンに繋がらないという課題を持つ企業におすすめです。PickUpを導入することで、LINEを通じてユーザー設定を深化させて、パーソナライズ化されたコミュニケーションで顧客体験を提供することで、コンバージョン数を向上させることが可能になります。

 

千葉様:顧客接点の強化に課題を持つBtoC企業様すべてにおすすめです。PickUpを活用することで、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客との関係構築にも役立ちます。特に、情報量が多く、顧客にとって理解が難しい商材を扱っている企業様には、PickUpの丁寧なコミュニケーションが効果的だと思います。お客様一人ひとりのニーズは様々あって、その方たちに最適なシナリオを発信できるため、顧客接点に課題を持たれている企業であれば効果がより発揮するのではないでしょうか。

 

渡邊様、千葉様、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 


 

Capexでは、今後もお客様の事例をご紹介してまいります。その他のインタビュー記事もぜひご覧ください。