インタビュイープロフィール
株式会社ニチイ学館 人財開発事業本部 広告部 広告課 サービスマネージャー
水上 裕介様


株式会社ニチイ学館 人財開発事業本部 広告部 広告課
井上 万夕様

 


課題
  •  クッキー利用制限により、再アプローチが難しくなると予想されていた
  •  長期検討ユーザーへの継続的な接点が不足していた
  •  個人情報入力を伴う資料請求は心理的ハードルが高い状況があった

 

導入の決め手
  •  LINEでの接点なら、クッキーに頼らず継続的なアプローチが可能と判断
  •  PickUpのポップアップによる友達登録がユーザーにとって心理的ハードルが低いと感じた
  •  ユーザーの興味・関心に合わせたシナリオ設計で中長期的な育成が可能になると考えた

 

導入後の効果
  •  クッキーに依存しないLINEマーケティングで、ユーザーとの継続的な接点を獲得
  •  長期的検討ユーザーへのアプローチが継続できるようになった
  •  資料請求より手軽なLINE登録で、心理的ハードルが下がり多くの友だち登録者を獲得     

 

 

受講生募集を目的とした広告施策を長年展開してきた株式会社ニチイ学館。しかし、クッキーレス時代を迎える中で、従来型のリスティング広告やバナー広告によるリターゲティング手法は限界を迎えつつありました。

そうした課題を解決するために導入されたのが株式会社Capexが提供するLINEを活用したシナリオベース対話AIサービス「PickUp」です。PickUpを使用することで、お客様との継続的な接点を得ることができた同社が、どのようなシナリオやストーリー設計にして情報を届けているのでしょうか。株式会社ニチイ学館 人財開発事業本部 広告部 広告課のサービスマネージャー 水上 裕介様と広告課の井上 万夕様にお話を伺いました。

課題とLINEマーケティング導入背景

──御社の事業内容について教えてください。

水上様:株式会社ニチイ学館は、医療関連事業や介護事業、保育事業を中心に展開しており、具体的には医療機関の医療事務業務の委託や介護事業所の運営、保育所の運営をしています。また、「医療事務講座」や「介護職員初任者研修」などの教育講座も展開しており、私たちはこれらの受講生募集広告を担当しています。

弊社の広告部のミッションとしては、受講生募集の最大化が大きな目標となっています。そして、人財開発事業本部全体が掲げるミッションとしては、医療事務の受託業務や介護施設の運営を支えるための「人財供給」にあります。受講していただいた方が就業に繋がり、その方が医療や介護の現場で活躍されることこそが、私たちの最終的な目標です。

そのため、例えば受講後に就業してくださる方に対しては、受講料をキャッシュバックする制度なども設けています。このように、受講だけで終わらせるのではなく、その先の就業までを見据えた取り組みを意識しています。     

 

──LINEマーケティングを実施する前に、どのような課題を抱えていましたか?

水上様:LINEマーケティングを実施する前は、リスティング広告やバナー広告を中心に広告運用をしており、自社サイト「まなびネット」への集客を行っていました。しかし、インターネット広告全般の課題として、クッキーの規制が強化されたことがあげられます。この規制によりリターゲティング広告ができず、一度サイトに来訪したユーザーに対して、再度アプローチができなくなる可能性が出てきました。

そのため、クッキーを利用したリターゲティング広告に依存せず、サイトに訪問したユーザーと接点を持つ方法を検討する必要がありました。

──このような課題に対して、LINEを使用したマーケティングを採用された理由は何でしょうか?

水上様:LINEを使用したマーケティングを検討した背景としては、クッキーを使わない形で、一度サイトに来訪したユーザーと接点を持つ方法を模索していたことが挙げられます。クッキーが使えなくなってくることで、一度来たユーザーに対して再度案内することが今後難しくなるという大きな課題があったためです。

その中で、Capexさんの「PickUp」のように、一度サイトに来訪したユーザーに対してポップアップを出し、LINEの友だち追加へと誘導する仕組みがある点が非常に魅力的でした。クッキーを使わずにユーザーと繋がり続ける手段として、LINEを使用したマーケティングは適していると感じたため導入を検討しました。

導入の決め手導入の結果

──LINEを導入する際、決め手となったポイントは何でしょうか?

水上様:LINEを活用した対話システムによる新しいコミュニケーションが魅力的でした。先ほどもお伝えしたように、当時はクッキーの規制が進む中で、従来のリスティング広告やバナー広告だけでは対応しきれなくなるのはそう遠くない未来だと感じていました。

具体的な課題が完全に顕在化していたわけではありませんが、将来的に大きな問題になることを予測していたため、先行してLINE施策を始めておくことで、クッキーレスによりリターゲティング広告が使えなくなっても慌てることがなくなると判断しました。

 

──LINEマーケティングを導入したことで、どのような成果が得られましたか?

水上様:LINEマーケティングを実施したことで、リスティング広告では届かなかった中長期的なユーザーとの接点が確保できるようになりました。特に、LINEを活用することで、検討期間が長いユーザーに対して継続的にアプローチを続けられる点が大きな成果だと感じています。

 

例えば、LINE友だち登録をしていただいたユーザーの中には、3ヶ月から6ヶ月後に受講申し込みに繋がるユーザーもいらっしゃいます。リスティング広告では、短期的な成果を狙う形が主流ですが、LINEを活用することで、ユーザーとの関係性をじっくりと築き、将来的な受講につながる確かな成果を感じています。

──PickUpを使用した具体的な施策をお教えください。LINE上でのコミュニケーションやシナリオ設計では、どのような工夫を行いましたか?

井上様:PickUp導入後、まず実施したのは、LINE友だち登録後にユーザーの興味や関心に合わせて分岐する診断形式のシナリオを作成することです。これにより、ユーザーの希望や重視するポイントに応じた情報をピンポイントで提供できるようにしました。

 

例えば診断で、受講する上で重視するポイントを「費用面」 と回答したユーザーには料金的なメリットをよりアピールできるよう、クリエイティブの順番を変更するなど、興味・関心にあわせて配信内容の工夫をしています。このように、ユーザーごとに最適化したシナリオ設計が効果を上げていると感じています。

──LINEでブロックされないために、どのような工夫をされていますか?

井上様:LINEでの配信では、特に配信頻度を意識しています。例えば、キャンペーンを行っていない時期の配信の場合は月に1回程度に抑え、ユーザーに嫌悪感を与えないよう心がけています。一方で、期間限定のキャンペーン時は講座が安くなるタイミングになるので、ユーザーにとって有益な情報をより多く届けられるよう、週に1回程度の配信を行っています。頻度が負担にならない範囲にとどめてはいるものの、配信頻度を上げることで実際に効果を感じられる場面もあったため、今後も工夫していきたいと考えています。

PickUpについて

──PickUpを導入したことで、意外な効果や気づきはありましたか?

水上様:PickUpを導入して特に感じたのはLINE友だち登録の心理的ハードルの低さです。従来の資料請求と比較して、LINE友だち登録は非常に手軽に行えるため、ユーザーが「まずは試してみよう」と気軽に登録してくれる傾向があります。

資料請求の場合は、住所や連絡先などの個人情報を入力する必要があるため、どうしても心理的な負担が大きくなります。一方でLINE友だち登録は、ボタン一つで完了するため、ユーザー側の負担が大幅に軽減されます。この手軽さが、登録数の増加に繋がっていると感じています。

──Capexのサポート体制について、どのように感じられましたか?

井上様:Capexさんからいただく主要なデータは、LINEの友だち数やポップアップ表示数、そこから友だち登録に至った人数、シナリオの完了率、そして最終的に受講申し込みにどれくらいつながったのかといった内容です。

これらのデータを元に、「この部分のCTR(クリック率)が低いのは、ここがボトルネックになっているため効果に繋がらない」といった具体的な分析をしてくださっています。さらに、その課題に対して「どう改善するか」といった提案もセットで頂けるので、とても親身にサポートしてくださっていると感じています。数字だけで終わらず、改善まで伴走してくれる点がありがたいですね。

 

水上様:Capexさんは我々の要望に対して、真摯に向き合ってくださっていると常に感じています。今後はより一緒になって施策部分を考えて行ってくださるとありがたいと思っているので、引き続きよろしくお願いいたします。

──PickUpは、どのような課題を抱える企業におすすめだと思われますか?

水上様:やはり教育系の業界には非常にマッチしていると感じます。私たちのような講座提供型のサービスもそうですが、教育分野ではユーザーがコンバージョンに至るまでに時間がかかるケースが多いです。例えば、学習塾や資格取得を目的とする講座などでは、ユーザーがじっくり時間をかけて検討するケースが珍しくありません。そのため、中長期的に接点を持ちながら育成していく必要があります。そうした意味でPickUpのようなLINEを活用して定期的なコミュニケーションが取れる施策はとても効果的に機能すると思います。

 

また、教育分野に限らず、継続的に商品やサービスを提供している業界にも向いていると感じます。例えば化粧品業界は、リピート購入が前提のビジネスなので、ユーザーごとに合った商品やアドバイスをLINE経由で届けることができれば、継続的な購買促進につなげられる可能性があるかと思います。

 

井上様:加えて、自社サイトでリスティング広告などを活用して集客している企業にもおすすめしたいですね。「広告を出しても思ったように集客できない」と感じている企業様も多いと思いますが、そういった場合に別の導線からユーザーと接点を作る手段としてPickUpを活用してみる価値があると考えています。既存の広告施策と並行して使うことで、今まで取りこぼしている層にもアプローチできるので、結果的により高い効果が期待できると思います。

 

水上様、井上様、本日は貴重なお話しをありがとうございました。

 


 

Capexでは、今後もお客様の事例をご紹介して参ります。その他のインタビュー記事もぜひご覧ください。