インタビュイープロフィール
株式会社セブン銀行バンキング統括部グループ長
高田 大輔 様
株式会社セブン銀行バンキング統括部調査役
勝山 浩輔 様
課題
- Web広告やLPを通じた集客はできていたものの、コンバージョン率に課題感があった
- 従来のWebマーケティングでは、申し込みにあたっての顧客の心理的な不安を解消しきれなかった
決め手
- 成果報酬型でリスクを抑え、CPAを通常広告の70%に設定できているコストパフォーマンス
- LINEを活用し、クッキーレス環境でも継続的な顧客接点を持てる仕組み
- 柔軟なシナリオ設計と顧客ニーズに合わせた運用が可能な機動性
結果
- 初回シナリオ完了率が70%から80%台後半まで向上し、顧客体験を改善
- 顧客の不安を解消、サービスの利用意向を高め、申し込みまでの体験を改善
- 登録から220日後の申し込みの実現など、長期的な顧客接点維持に成功
カードローン事業におけるマーケティング課題を抱えていたセブン銀行。Web広告やランディングページを通じて多くの見込み顧客を集めることには成功していたものの、そこから申し込みに至るまでのコンバージョン率に課題がありました。この「あと一歩」を後押しするために、同社が導入したのがLINEを活用したPickUpです。
今回、PickUpをどのように活用して課題を解決し、顧客との継続的なつながりを生み出したのか、具体的なエピソードを交えて詳細を伺いました。セブン銀行バンキング統括部のグループ長 高田 大輔様と、同じくバンキング統括部 調査役の勝山 浩輔様にお話を伺いました。
カードローンの「あと一歩」を後押しする新たな仕組みの導入
──PickUp導入前には、どのような課題があったのでしょうか?
高田様:セブン銀行では、カードローンのサービスを提供しています。従来の取り組みはカードローンを必要とする方には興味を持っていただけるのですが、Web広告やLPを通じて集客しても、そこからお申し込みに至るまでのコンバージョン率が課題でした。そこで、この「あと一歩」を後押しする仕組みが必要だと考えていました。
一般的なWebマーケティング施策、例えばLPの最適化やキーワード変更、キャッチコピーの見直しなどは行っていました。しかし、それだけでは補えない部分がありました。
──PickUp導入に至るまでの経緯はいかがでしたか?
高田様:当初はカードローンのような商材に本当に適応できるのか、不安な部分が多かったですね。カードローンは、必要な方には便利な商品ですが、需要が強くないお客様にとっては逆にネガティブに受け取られる可能性もあるんです。そうした商品の特性上、繰り返しアプローチすることが逆効果になるのではないか、という懸念がありました。
また、Web広告やLPからLINEへの導線を作ったとしても、お客様がそこまで移動してくれるのか、お客様を追いかけるような行為がお客様の体験を阻害することにならないのかという疑問もありました。さらに言うと、LINEでのやり取りがどれだけお客様の背中を押せるのか、半信半疑だったのが当時の正直な気持ちです。
ですが、チーム内で議論を重ねていくうちにお客さまの申込体験を損ねず、むしろ向上させることができるのではと感じるようになりました。
勝山様:今はクッキーレス時代で、お客様との接点を継続的に持つこと自体が非常に難しい状態です。そういう背景もあり、LINEという普段使い慣れたツールを活用して、双方向のコミュニケーションを図れるという点に可能性を感じていました。これは新たな集客チャネルとして、またお客さまにとっても弊社のカードローンに対する不安を払しょくし納得してお申し込み頂けるようになるんじゃないかと考えたんです。
──導入までの期間はどれくらいでしたか?
勝山様:比較的早かったですね。話をいただいてから3~4ヶ月程度で導入が決定しました。セブン銀行では新しい取り組みを進める際、通常もう少し時間がかかることも多いのですが、今回はかなりスムーズに進んだんじゃないかと思います。
UI改善などの細やかな施策で初回シナリオ完了率80%台後半を実現
──PickUp導入にあたって、他社サービスとも比較検討されたんでしょうか?
高田様:類似サービスが他にいくつかありましたので比較検討はしました。そして最終的にはPickUpと別のサービスの2つを検討することになりました。
──なぜPickUpを選ばれたのでしょうか?最終的な決め手は…?
高田様:やはりコストパフォーマンスが非常に高かった点が決め手の一つでした。他社とも比較検討したんですけど、成果報酬型でリスクを抑えられる点や、CPAが通常のWeb広告の70%で設定できた点は非常に魅力的でしたね。他社も検討しましたが、PickUpの方が、私たちにとって導入のリスクが少ない点が非常に大きかったと思います。
──PickUpを導入して、具体的にどのような施策を展開されたのでしょうか?
勝山様:PickUp導入当初、初回シナリオの完了率は約70%でした。我々は70%でも想定以上の成果でしたが、Capexさんから80%から90%までは伸ばせるはずだと予測を聞いていました。そして、Capexさんがその原因を探るためにデータを分析したところ、顧客層の年代が高めであることが分かったんです。
そこから、Capexさんが選択肢の文字の小ささが視認性に影響している可能性があると仮説を立ててくれました。初期段階ではLINEデフォルトの小さな文字列で選択肢を表示していたのですが、これをボタン形式に変更して文字サイズも大きくしたところ、完了率が70%から80%台後半まで向上したんです。
──他にも、効果のあった施策がありましたら教えてください。
高田様:LINEリッチメニューも活用しています。例えば、お客様はやはり「自分がローンの審査に通過できるのかどうか」というところを非常に心配されるんです。そこで、本申込の前にリッチメニューを活用し、お客様が何度でも審査診断を行えるようにしたんです。すると、1人当たり平均1.55回診断を行うという結果になり、不安を解消しながら最終的に申し込みをいただけるようになりました。
勝山様:他にも当初30日間で終了するシナリオだったところを、年間で配信するシナリオを追加で作成し、季節ごとの資金需要に応じたメッセージ配信を行ったのも効果的でした。年末年始には「帰省やお年玉での出費をサポートします」といったコンテンツを配信するといったようなシナリオです。これもCapexさんからのご提案だったんですが、私たちにはなかった視点だったので非常に助かりました。結果的に、登録から220日後に申し込みがあったケースもあり、長期的な接点を維持する重要性を実感しました。
PickUpを導入して顧客の不安を和らげ、満足度向上を実現
──PickUpを導入してみて、お客様からはどのような反応がありましたか?
勝山様:カードローンという商材は、お客様からの声がなかなか届きにくい商材です。そのため、当初はPickUpを導入したことによるお客さまからのお問い合わせ等は増えるだろうと予想していたんですが、想定していたような反応はほとんど無く、これは嬉しい誤算でした。
──PickUp導入が、お客様の満足度向上につながったということでしょうか?
高田様:そうだと思います。ローンという商品は、どうしても心理的な障壁を伴うものだと思っています。「本当に必要なのか」「返済できるのか」といった不安を抱えるお客様も多いと思うんです。これまでWeb広告やLPでは捉えきれなかったこうした不安が、LINEというツールを通じた双方向のコミュニケーションによって少しずつ解消されていると感じています。結果的に、ローンという商品を「便利に使ってみよう」と思っていただけるきっかけになっているのではないでしょうか。
PickUpは心理的なハードルが高い商材にこそおすすめ
──今までの取り組みの中で、印象に残っているサポートなどはございますか?
勝山様:Capexさんに助けられていると感じるのは、ユーザーのインサイトを弊社よりも深く理解していただいているところです。私たちの事業内容はもちろん、その先のユーザーのことも理解してくださっているので、良い提案につながっているのだと感じます。
──PickUpを他の企業にもおすすめするとしたら、どのような企業に向いていると思いますか?
高田様:PickUpは、お客様が心理的な障壁を感じやすい商材を扱う企業にとって非常に相性が良いと思います。例えば、金融商品はもちろんですが高額な契約が必要なサービスなどで、顧客が「ちょっと不安だな」と思うポイントを解消できるツールとして最適ではないでしょうか。お客様に寄り添いながら、信頼を築きたいと考えている企業にはおすすめのサービスかと思います。